ある救世主の逃走
藤原冬嗣
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私は死ぬことになっているらしい
全人類の罪を肩代わりさせられるらしい
どうして私は死なねばならぬ
おお神よ教えてください
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どうやら本当のことらしい
私は髑髏の丘で磔に
結局やはり裏切ったのだな
神の運命から逃れられぬのか
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7 |
槍を持ったローマの兵士
私を穿たんとして近づく
エリエリレマサバクタニ
されど神は何も答えず
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私の身体に迫る刃先
死んでたまるか死にたくない
私は十字架の呪縛を解き
兵士に十字架を投げつける
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驚く群衆驚く我が弟子ら
何を驚く私は神の子なり
ペテロにヤコブ、ヨハネにその他
また会おうぞと私は逃げる
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鬼の形相で迫る兵士ら
私は光の剣で撃つ
安心しなさい峰打ちだから
私はゴルゴタを後にする
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心に伝わる神の叱責
私はそれを無視する
子ならば反抗期が来て当然なり
さらば神よ、私は人なり
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辿りついた名も知らぬ町
私はそこで恋をする
また、傷つく人を癒す
静かに平和に暮らしたい
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