405179 / 藤原冬嗣
ある救世主の逃走私は死ぬことになっているらしい
全人類の罪を肩代わりさせられるらしい
どうして私は死なねばならぬ
おお神よ教えてください
どうやら本当のことらしい
私は髑髏の丘で磔に
結局やはり裏切ったのだな
神の運命から逃れられぬのか
槍を持ったローマの兵士
私を穿たんとして近づく
エリエリレマサバクタニ
されど神は何も答えず
私の身体に迫る刃先
死んでたまるか死にたくない
私は十字架の呪縛を解き
兵士に十字架を投げつける
驚く群衆驚く我が弟子ら
何を驚く私は神の子なり
ペテロにヤコブ、ヨハネにその他
また会おうぞと私は逃げる
鬼の形相で迫る兵士ら
私は光の剣で撃つ
安心しなさい峰打ちだから
私はゴルゴタを後にする
心に伝わる神の叱責
私はそれを無視する
子ならば反抗期が来て当然なり
さらば神よ、私は人なり
辿りついた名も知らぬ町
私はそこで恋をする
また、傷つく人を癒す
静かに平和に暮らしたい
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