猫の気持ち
ポーネ・マスカル
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1 |
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2 |
あなたは落ち葉に埋もれる私を連れて帰った
あなたと過ごす冬がこんなにも
暖かいと教えてくれたあの日から
私とあなたたち夫婦の三人の物語が始まった。
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3 |
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4 |
2度目の暖かい冬を越えて
窓から入る桜の匂いを枕に眠る私に
いつも通り行ってきますと言ってから
あなたのただいまの声がずっと聞こえないんだ。
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5 |
二人のくだらない話に笑う優しい声も
些細なことで喧嘩した怒鳴るような大きな声も
二人で囲んだ食卓で聞こえたいただきますの声も
聞こえない声が私の耳を塞いでいく。
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6 |
あなたがいつも準備した私のご飯も
慣れない手つきで準備されていく。
あなたがいつも撫でてくれていた優しい手は
少しだけ強くて固くなった。
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7 |
セミの声が窓から入ってくる。
少しは慣れた手つきで準備されるご飯はやっぱり多くって。
この人の膝の上は固いけど撫でる手が気持ちよくて。
少しだけ慣れてきたこの人と過ごす毎日が普通になった。
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8 |
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9 |
ある日聞こえた懐かしい
あなたのただいまの声が教えてくれた
私とあなたたち夫婦の物語か終わったことを
これからは私とあなたたち夫婦と赤ちゃんの物語
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10 |
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