旅
清流さん
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過ぎ去る電車を眺める
駅のホームには沢山の人達
行く当てなんて無いのに
旅と理由を付けて電車を待つ
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4 |
忙しそうな会社員に気怠そうな学生
仲睦まじそうな家族連れに老人夫婦
そのどれかと言う訳でも無く
寂しさを感じつつ電車に揺れる
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5 |
流れて行く車窓、轟くモーターの音
橋を渡り次の駅へ次の駅へ
止まったり通過したりして
電車は終点へと向かう
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6 |
電車の行き先は決められているのに
私の行き先は見つからず
行けるところまでと言いながら
降りることを忘れ乗り続ける
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7 |
人が降りては乗り
車内で見かける顔も違ってくる
過ぎ去る景色もまた
違う空の下変わっていく
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8 |
自分探しの旅だと言っても
私には探せれる自分がいない
もしそこに「自分」とやらがいるのなら
それは偽物の私だろう
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孤独を埋めることも出来ず
外へ出て遠くに行く事で
自分を誤魔化す私に
見つけれる「自分」はあるんですか
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見知らぬ土地にいけば
何かが見つかるのか
それで自分を見付けた気になって
この旅を終わらせるのですか
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電車の終点手前で降りて
駅を出た先の光景を
私が求めた終着点と
思えるようになるだろうか
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