ジンジャーエールの盟友
泉凛
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1 |
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2 |
酸いも甘いも噛み分けて 苦渋もさんざ舐めさせられた
少しばかり舌を麻痺させて
この街の神経質なスマートにも
やっと僕は慣れてきたところ
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3 |
なあ ジンジャーエールの盟友
君のほうはどうだい、歯車みたいな不合理に
見切りはつけられそうかい
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4 |
芝生のにおいの風の中 やせっぽちで赤い猫っ毛した
エイプリル おどけて笑ってた 小さな八重歯見せながら
「これはほんとはママのシャツなの でも私が着るとほらね
ワンピースになるのよ」なんて服の裾つまんで云ったっけ
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5 |
その洗いざらしたオリーブ色が 夢に見るたび美しいから
懐かしくってたまらないのだ ああ、水を一杯どうだい
彼女が今どうしているのか 君は知っているのかい
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6 |
遊びに出かけるときならいつも 僕らはミーシャを誘ったね
恐ろしく手先の器用な奴だった 彼にかかれば
ちんけな輪ゴム鉄砲だって 見違えるようさ 一級品
すてきなショットガンに早変わった
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7 |
彼も玩具も今となっては解けた魔法で
いつのまにかいなくなってしまってた
彼らは何処へ行ったんだろう 安心していては駄目だね
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8 |
みんなが僕を置いてっちまう 夢見がちだと笑わないでおくれ
素晴らしいこんな春の夜に 古臭い昔話
酔いやすくなっただけのことさ
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9 |
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10 |
なあ ジンジャーエールの盟友 君のほうはどうだい
歯車みたいな不合理にすっかり見切りをつけたなら
何処へだって行けそうかい 夢の向こうは五月の涙
風よりも歌よりも軽く遥か 旅立ってしまえそうなのかい
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11 |
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