707827 / 山田
木と繁栄の歌昔々砂漠の真ん中に
赤い果実のなる木があった
乾き飢えていた人々は
その木の恵みをいただいた
人々はそこに街を築いた
井戸から水を汲み上げ
木の葉で土地を肥やし
いろんな野菜を植えていった
街は繁栄を続けていた
文化も栄え王が即位した
人々は明日を恐れることなく
活気に溢れ輝いていた、が
嵐がやってきた
嵐は全てを吹き飛ばし
街の民は絶望した
人々は故郷を捨て
別の土地へと逃げていった
街は廃墟と化していた
かつての繁栄はもう消えて
そうして最後に残ったのは
赤い果実のなる木だけだった
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