104077 / ひっか
惜別定型句別れの言葉を並べすぎると
それは陳腐な定型文に成り下がる
歌もまたしかり
別れは何度も繰り返すものじゃない
冬が終わる 春が終わる
夏が終わる 秋が終わる
あいにく雪に閉ざされた季節は
今年も一番長い
雪が解けたらサヨナラです
ばいばい、またね
また会えるかって?
そんなこと知りません ただのご挨拶です
別れの言葉を並べすぎると
時に陳腐になるけどね
だったらせめて 一言の定型文に
ありったけの 型破りな 気持ちを込めようよ
冬が始まる 春が始まる
夏が始まる 秋が終わる
卒業するころ桜はまだ
つぼみの中で眠ったまま
暦の上ではもう春ですから
嘘つけ、嘘つけ
窓の外に広がる
暴風雪注意報 まだ冬だよ
別れの言葉を並べるにはね
ちょっとばかし今日は 日が悪い
仕方がないよ 運命は今日でおしまい
ありったけの 型破りな 気持ちを伝えるよ
別れの言葉を並べたそのあとは
春がやってくるじゃん 春が
雪が解ける 涙流す
定型文の出番はまた 来年まで
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