719305 / 鸛
梟の歌さようなら 梟
さようなら
さようなら 少年
さようなら
気怠く育った陽の光が
入り込んだ部屋の中で
父親を殺したヒーローの話を
ぼくは今思い出している
その話が言うには
父親の返り血は
夢から目覚めさせ
暗い外の景色を映し出すという
歌うたいの森ではなく
モノクロの東京の街の隅で
ぼくは永遠にため息を
つき続けるのだろう
もし君が父親だったのなら
せめてものお詫びと感謝を
ごめんなさい 梟
ありがとう 梟
さようなら 梟
さようなら
さようなら 少年
さようなら
さようなら 梟
さようなら
さようなら 10代の頃のぼく
さようなら
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