715614 / 詩:立原道造 作曲:ねこにコンセプト
浅き春に寄せて今は二月たったそれだけ、
あたりにはもう春がきこえてゐる。
だけれどもたったそれだけ、
昔むかしの約束はもうのこらない。
今は二月たった一度だけ、
夢のなかにささやいてひとはゐない。
だけれどもたった一度だけ、
そのひとは私のためにほほゑんだ。
【間奏】
さう花はまたひらくであらう。
さうして鳥はかわらずに啼いて、
人びとは春のなかに笑みかはすであらう。
今は二月雪の面につづいた、
私のみだれた足跡それだけ。
たったそれだけ私には。
っ
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