675201 / flipflop
光るモノここは 闇夜の港町
ぼんやり照らす 月明り
波音だけが 心地よく
ザーザーザーと 鳴り響く
耳を澄ませば どこからか
カツカツカツと 足音が
見ればそこには ガラス玉
少女が抱える ガラス玉
少女は言った 静かに言った
光るべきものが 光らない
彼女は歩いた 彼女は旅した
彼女は光を 待ちわびた
けれど変わらぬ ガラス玉
口惜しそうに 彼女は言った
私のこれは 光らない
私のこれだけ 光らない
彼女の姿は
眩しいけれど
その瞳には
届かない
磨けよ磨け どんどん磨け
その輝きに 気付くまで
どんどん磨け
さぁ磨け
ここは 寂れた映画館
時代遅れの コマ送り
人もまばらな
レイトショー
暗く寂しい
シナリオに
悩みだらけの
主人公
最前列と その次と
それから後ろが 特等席で
ここに座るは
二人の男女
二人は言った そろって言った
あの子はきっと 私です
彼らは語った 彼らは嘆いた
彼らは苦悩を 主張した
あそこに映るは
私です
あれは
私の悩みです
二人の叫びは 同じだけれど
彼らの耳には 届かない
二人の姿は同じだけれど
彼らの瞳は映さない
鏡よ鏡
答えておくれ
あそこに映るは
誰でしょう
これから
どこに行きましょう
そこに行くには
どうしましょう
空高く舞う エアークラフト
あるいは沈む サブマリン
避けては通れぬ
地平線
星を隠すは
岬の海霧
あるいは
砂漠の蜃気楼
ただ闇雲に
歩むは地獄か
はたまた気付けば
天国か
光は
見えぬか
影は
孤独か
答えを決める
その日まで
そっと答えを
待ちましょう
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