650399 / 梟
無題【前奏】
空白にも似た部屋の中
時計台の針が動き始め
婦人は一人あてもなく
この場所へと辿り着く
その遥か後ろで僕らは見送る
そして婦人は不意に振り返る
改めて行き先を確認する為に
部屋の主が言葉を唱えると
時計台の鐘が心に響き渡る
遠くの草原で見える踊りは
夢でよく見たノヴェレッテ
この場所から空が見上げられないのは
眩しさ故に目を閉ざしてしまうからだ
婦人よ、今やあなたは仰々しい空をも
その瞳で捉えようとしているのだろう
それでも針は動き続ける…
部屋の中から光が入り込み
やがて僕らの体を包み込む
そして風吹く頃を待ち望み
共に僕らは夜明けを迎える
【Guitar Solo】
僕らはこの陽を浴びて
あの婦人の背を見送る
時計台は下から崩れて
婦人は光の方へと進む
そうして時間が止まる時
婦人の姿は見えなくなり
ここに残るのは僕らだけ
ここに残るのは僕らだけ…
【後奏】
【独白】 |
■コメント追記は登録者のみ |