647026 / ねことコンパス
漂着の夢目覚めたら、僕はたった一人。
波に洗われ、砂浜に半分
埋もれていた。どうしたんだろう。
記憶が定かでない、僕は誰だ。
一体ここは何処、現実なのか
見渡す限り、海しか見えない。
孤島にでも、流れついてしまったのか
しかし、何故、どうしたというのか
夢なら醒めてと、僕は願った。
誰よりも見えなくなっている。
照りつける太陽、目眩がする。
喉が渇いた、水を探そう。
かつて読んだ、漂流の物語が
ふと、頭をよぎったものの
依然として、明快な風景とは
裏腹に、心はホワイトアウト
体の欲するままに、水を探し
食べ物を探した。探した。
辺りはだんだん暗くなる。
星が見え始めた。涙が出てきた。
やがて不思議なことに、落ち着いてきた。
それにつれて、思い出してきたんだ。
僕が誰であるか、何があったのか
目が覚めたんだ。眠りから、本当に
〔後奏〕
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