633160 / 梟
私の愛した数式数だけでは表せない事を
知ったのはつい最近の事だった
【前奏】
巡る巡る時は巡る
私だけは置いてけぼり
回る回る目が回る
存在証明すら出来ずに
慌てふためいて追いかけても
逆の方しか行けなかった
手探りされた私の身体は
金属の様に重かった
「肉体など消してしまえば良かったのだ」と
一人きりの部屋の中でつぶやいた
蜘蛛の糸を掴んだ気でいたが
掴んだのは複雑に絡む紐だった
叶うのなら把握しておきたい
私の数式
Ad libitum…
…
数だけでは表せない物を
この手が今握りしめようとしていた
叶うのなら網羅しておきたい
私の数式
【後奏】
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