632758 / 空狐翡翠
名もなき少女と森のうた音舞~
昔ある所に一人の少女がいました。
病弱故に友達のいなかった彼女は
近所の森へ散歩に出かけ、
小鳥などの動物達と戯れるのが日課でした。
ある日少女は森の中で
一人の少年と出会いました。
彼もまた森を愛しており、
二人はすぐに打ち解けました。
少女は歌い、少年は踊る。
小鳥と木々の囁きの中
二人は時が経つのも忘れ
言葉を交わし合いました。
音舞~
それから少女と少年は
毎日森の中で遊ぶようになりました。
少年と動物達に囲まれ
少女はとても幸せな日々を過ごしました。
ところが少女は病に倒れ
森へ行けなくなってしまいました。
何も知らない少年は
彼女が再び現れるのを待ち続けました。
小鳥たちの知らせによって
少年は少女の死を知りました。
彼は涙を流し動物達と共に少女を悼みました。
そして少年は亡くなった少女のために
詩を紡ぎました。
彼女の元に届くように
彼は歌い続けました。
音舞~
もりをあいしてくれた
あなたへとおくります
こころやさしきひとに
やすらかなるねむりを |
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