52761 / 類人猿
碧い月夢の続きがみたいから
瞳を閉じてみたけれど
過ぎ去った昨日は戻らない
わかってはいるのだけど
喜びを感じることも
幸せを感じることも
今の僕には虚しいだけ
わかってはいるのだけど
深い深い海の底から
遠い遠い月を見上げる
忘れてしまいたい昔の僕がいる
忘れたくない君の姿が愛しい
君と過ごした時間は
本当のことだったのか
ぼんやりとした記憶だけが
水面に揺らいでいる
目の前を通り過ぎる
見覚えのある後姿
僕の知らない君の姿
わかってはいるのだけど
暗い暗い街の片隅で
碧く輝く月を見上げる
どうしてあのとき何も言えなかったんだろう
どうしてあのとき抱きしめなかったんだろう
僕の隣には
君の姿はもういない
かすかに残る君の記憶が
また僕を切なくする
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