443290 / かめの りょう
強がりさん愛してる、なんて薄っぺらい言葉が、
心の表面を滑っていく。
いらないの、そんなもの。
グラスが揺れて、水面も揺れる。
ああ、悲しいかな、とそっと呟く。
誰にも通じやしない気持ちと気分。
愛さなきゃいけない、そんな呪縛のうちに、
あたしの自我が溶けて消えていく。
眠れない夜は誰かの声を。
起きられない朝は誰かの歌を。
生きたくない日は誰かの涙を。
そっと、受け止めたくなる。
孤独はこの身を蝕む毒だ。
しがみついた世間体に、
泣き出す誰かはあたしだっただろうか。
もう思い出せない夕暮れ時。
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