432250 / うまhorse
daylightこつんこつんと、音をたてながら
ひとり、前に足を進める
夜でも朝でもない
不思議な時間
期待を含んだ、静けさに待ちきれず
ゆらりゆらりと動く
川と一緒に
浮わついた気持ちで身を揺らす
オレンジの方角に、飛び立つ一羽
ふと足を止め、小さくなるまで見送った
一羽だけじゃない、ずっと前から
何度だって見たような気がする
空がゆったりと色をつけていく、そのたびに
街が、人々が息づいていくようで
僕だけの街が
姿を消していく
すれ違う人、追い越す人
言葉は交わさない
でも、いいんだよ
同じ空を見に来た、伝わるから
僕がたどり着いたのは、ざわめきを少し取り戻した街
まだかなあ、思いながら
ビルの隙間を見つめる人々
通り過ぎるだけの人も、同じ方向を見ていたんだ
顔を出す、一際眩しい光
待ってたよと、小さなシャッター音がこだまする
写真が好きな、わけでもないのに
パシャリという音が、心地いいような
自転車を漕ぐ人
ゆっくり回るペダル
拝む人、笑う人、駆けて来る人
輝きを増す光
僕の隣には誰もいないのに
全部が嬉しくて
真っ赤で、誰かのものみたいに冷たい手なのに
だんだんと、温もりを感じていたんだ
橋の上から見下ろす水面、キラキラと点滅する光
思い出すよ、僕は見たんだよ
輝きと、その輝きに導かれた
歌と共にあった、まばゆくて優しい光
あの時も、そうだった
見たのは違う景色、でも輝きは同じ
今日だってそうさ、繋がっている空
隣にいないあなたに、どう映ったのかな
見て良かったと、初めてなんだ
あなただけじゃない、特別だったのは
僕もいるから、同じ空の下に
早く聞きたいな
すっかり朝になった、街にお別れを
帰ろう、今度は輝きを背に
僕が受け取った、温もりをお土産に
あなたに持っていこう
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