348643 / 無香料
侵号機草木も眠る午前三時
信号を待つ僕の前
何気なく振り向いた
あいつが立ってた
目の前にいたのは
ちょうど三か月前
行方不明になってた
きみだった
走り出す僕ときみが青信号を渡る
どこかで会えると信じていたから
巡りだす過去と今が交差点でぶつかる
二人と二つが今一つになる
きみはスクランブル交差点の真ん中で
少しづつ語り始めたんだ
君が言うにはこの世界は少し窮屈で
何かを変えるため飛んだんだとさ
それをぼそぼそと話す君の横顔は
なんとなく今までと
違っているようなそんなような
気がしたんだ 気がしたのさ
動き出す世界と赤だった信号機
誰だって動き出すと思っていたから
紡ぎだす僕ときみの物語が始まる
まずは信号を渡るところから
ここからも
いつまでも
昨日が終わり今日の時間が動き出す
明日を生きるため僕らは
動き出す
きっと
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