324650 / 清流さん
養老鉄道養老鉄道は今日も走る
北は揖斐へ南は桑名へ
大垣から分かれた列車は
それぞれの目的地へ
ガタガタ道みたいな線路の上を
ウサギの様にはねながら走る電車
元は近鉄だと言う事も忘れ
四扉の電車は濃尾平野を走る
揖斐行きの電車は桜の下を走り
桑名に行く電車は田畑の真ん中を
貫き山の麓を走る
少ない客を乗せて
廃れ果てた木製の駅舎
駅員がいない出入口
本数の少ない時刻表
ひっそりと待つ学生さん
跳ね上がる電車
過ぎ去る黄緑に染まる車窓
人は少なくでも一人じゃ無い
日常の一部となった光景
何気なく使ってたこの路線
当たり前だと思ったこの光景
日常によって閉ざされた視界
電車は今日もまた走る
まもなく一番線より桑名行きが発車します
本来なら消えてたはずの近鉄養老線
でも周りの人達のお陰で残った
日常が日常として続いたのだ
そして今ここで走ってる
そして僕らは今日もまたこの電車に乗り
当たり前の日常を謳歌する
日常は思ったより脆くて弱くて
でもその上で成り立っている
次は大垣、大垣
終点大垣です
お忘れ物ないよう
お気を付けて下さい |
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