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636426 / mico

小春

小春と聞いて
春を思い出している君が

春に生まれたはずの僕には
羨ましい

一万分の一の日常が
絡み合って
今の君がいるのなら

何を伝えられるのだろう

渡り鳥は
知っている
渡り鳥は
知っている

遠くに行きたい
わけじゃない
遠くまで見下ろしたい
わけじゃない

「みんな」がどこまでかなんて
大人でも答えられないものを
君に正確に教える必要は
あるかい

君も君も君も
他人事でいられないように
カウントされた
君がいる

一万分の一に
過ぎないはずの
君も僕も
ここにいるのなら

一万分の一に
過ぎないはずの
君も僕も
ここにいるのだから

[梟] micoさんの詩の中で一番好きな詩です。
氏の曲の中では一風変わっている感じのする曲想も良いです。

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634687 / 梟様 / mico

かがり火

【前奏】

風が吹き ねむり時
あの日の瞼に漂う

雲の先 およぐ時
心の奥底(おくそこ) 眠る春

夢の中 記録簿の
長い日々が
夜に溶けて
月明(つきあけ)の方へ

煙の中
凍えたの
針先

風が過ぎ 蛍火(ほたるび)に
舟のさざなみを集めて

瞼閉じ 記憶時(きおくどき)
心の奥底(おくそこ) 眠る春

夢が覚め 足跡の
長い道が
黒に濡れて
かがやきの方へ

煙の中
凍えたの
針先

風が吹き ねむり時
あの日の瞼に漂う

瞼閉じ 記憶時(きおくどき)
心の奥底(おくそこ) 眠る春

[嵯峨山茂樹] 2021/03/30 推薦

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628573 / mico

君の名前

君の名前はママが決めた
とってもとっても重い名前なの
みんなの思いがたっぷり詰まってて
いつもは軽くて気づかないくらいの

君の名前はママが決めた
誰かの手が差し伸べられるように
誰かへ手を差し伸べられるように
でもまだまだ名前を書くのはむずかしいね

君の名前はママが決めた
百点じゃなくてもいいの
少し背伸びしてがんばっているのわかるから
がんばった分だけわかるから

【間奏】

暗くて明るいこの世界に
苦しいとわかっていても
君が来てくれた
もう願いはかなったから

暗闇に燈された希望のように
多くのことが当たり前でないことを
知っている君だから
もう君の中にあるんだ

痛みに苦しいときカウントした
手足も動けなくなったとき歌を歌った
声も出なくなったとき心の中で歌った
もしもそれすら忘れてしまっても

君には名前がある
重くていつもそばにある名前がある
思い出して
明かりは君の中にあるんだ

君の名前はママが決めた
がんばっているのわかるから
がんばった分だけわかるから
もう君の中にあるんだ

[五六四〇] 名作歌詞として推薦しました.

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596180 / mico

対称

明日にはきっと好きになる
明日には誰かを好きになる
明日にはきっと自分も好きに
今にもきっと好きになる

僕と君は点対称
わたしとあなたは線対称
誰かと誰かは離れていても
どこかで何かが繋がっている

楽しいと寂しいがセットになって
嬉しいと苦しいがセットになって
好きと苦手がセットになって
辞書にも載ってないこの気持ち

いくら調べても誰かに聞いてみたって
名前のない感情の方が多いんだ
言葉なんてほんの本のタイトルで
全巻読んでみたって心のごく一部

器用なくせに不器用で
カッコいいくせにおちゃらけて
優しいくせに冷たくて
そんなそんなひとばかり

明日にはもっと好きになる
明日には誰かを好きになる
明日にはもっと自分も好きに
もっともっと好きになる

[間奏]

明日にはきっと好きになる
明日には誰かを好きになる
明日にはきっと自分も好きに
今にもきっと好きになる

明日にはもっと好きになる
明日には誰かを好きになる
明日にはもっと自分も好きに
今にももっと好きになる

[嵯峨山茂樹] 2021/03/19 推薦

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593309 / 風丸様 / mico

慟哭

夢見た現実が
遠のいていく
描いた幻想が
瓦解していく

僅かな可能性を
否定してはいけない
僅かな可能性を
恐れてはいけない

【間奏】

【間奏】

【間奏】

しかし貴方は
明日を恐れる
遠く咽び啼く
迷犬の様に

命の慟哭に
耳を傾けて
失われた命に
花を捧げて

朝焼けが追いつく前に
真実を追わねばならない
愛が枯れてしまう前に
問い正さなければならない

僅かな可能性を
否定してはいけない
僅かな可能性を
恐れてはいけない
[五六四〇] 名作歌詞として推薦しました。

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580768 / mico

Morpho

かざした薬指長くても
当たっているようなないような
星も花も月日の満ち欠けも
誰かが数えた統計学

ある時 置いた始まりが
欲しかった形と重なった
影があるのかないのか
気にもしないで

蛹の中の地平線
黒から白へ通り抜け
色のない色を手に入れた
空と海と翡翠と瑠璃と

僕は君の赤いスイッチをひいた
幸せの鳥を見つけられなくても
夕陽を見ながら思い出せばいい
君がそう教えてくれたから

[嵯峨山茂樹] 「統計学」が詩の中に入っているのがいいですね。

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569603 / mico

えぬこっぷす

ころぼっくるころぽっくる
といちせうんくる
といちせこっちゃかむい
とんちくるぷんうんくる

えぬこっぷすに乗って出かけよう
君の住む世界をドライブだ
蕗の傘差し川沿いも
君と一緒なら会えるかな

ころぼっくるころぽっくる
といちせうんくる
といちせこっちゃかむい
とんちくるぷんうんくる

ころぼっくるころぽっくる
といちせうんくる
といちせこっちゃかむい
とんちくるぷんうんくる

えぬこっぷすに乗って出かけよう
君の住む世界をドライブだ
石の影でかくれんぼ
君と一緒なら会えるかな

幸せになったねと
うなずきながら
手をとり眠る君の
元いた世界をたずねてみたい

はじめに葉っぱを覚えた君の
毎日小石を集める君の
元いた世界を
知っているだろう

ころぼっくるころぽっくる
といちせうんくる
といちせこっちゃかむい
とんちくるぷんうんくる

えぬこっぷすに乗って出かけよう
君の住む世界をドライブだ
雨上がりの葉っぱの上で
君と一緒なら会えるかな

ころぼっくるころぽっくる
といちせうんくる
といちせこっちゃかむい
とんちくるぷんうんくる

[風丸] 名作歌詞として推薦しました。

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545923 / mico

笑う小さなサボテン

最後にもらった餞別
テコラッタにサボテン
いつもぶっきらぼうな
あの子がくれた

手の平にコロンと乗せて
テコラッタに貼られた
いつもぶっきらぼうな
あの子の笑顔

新しい角部屋の
出窓が指定席
おはようひとつ振りかけて
静かな笑顔がぼくを見る

あの日バスの窓から
絵本で見たあの鉄道
光る窓をすり抜けて
今日も夜空を駆け巡る

新しい角部屋の
出窓が指定席
ただいまひとつ振りかけて
静かな笑顔がぼくを見る

死にたいと思ったことはない
けれど けれど
消えてしまいたいと思ってたんだ
ずっと ずっと

新しい角部屋の
出窓が指定席
おはようひとつ振りかけて
色褪せた笑顔がぼくを見る

あの日バスの窓から
絵本で見たあの鉄道
光る窓をすり抜けて
今日も夜空を駆け巡る

新しい角部屋の
出窓が指定席
ただいまひとつ振りかけて
剥がれ落ちた笑顔を見る

その時はじめて気づいたんだ
笑顔の下にあったんだ
がんばれの文字が
ぼくに言わなかったがんばれが

死にたいと思ったことはない
けれど けれど
消えてしまいたいと思ってたんだ
ずっと ずっと ずっと

だけれど だけれど
あの子の中にもこの世界にも
ぼくが1mmも存在しなかった
ことにはできないと

Ah わかっているから
ぼくは ぼくは
生きることを選んだんだ
新しい角部屋の
出窓が指定席
おはようひとつ振りかけて
静かな笑顔にぼくも笑う

[梟] micoさんの初期の傑作です。詩もいいですが、曲も素晴らしいです。

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531055 / mico

窓際の鏡

私は窓際にある鏡
ここは私の場所ではない
あるべき場所ではないんだよ
光が光が強すぎる

私は窓際にある鏡
ここは私の場所ではない
あるべき場所ではないんだよ
ほらほら体が熱くなる

私は窓際にある鏡
ここは私の場所ではない
あるべき場所ではないんだよ
ほんとの私はどこにある

鏡よ鏡よ鏡さん
他の鏡は本来あるべき所で
今日も誰かの笑顔を見てる
私もそこに行きたいの

だってほら光の収斂を
私には止められない
誰かを 何かを 傷つけてしまう
その前にその前に

私は窓際にある鏡
壁に打ち付けられて動けない
けれども一枚のカーテンが
私をそっと慰めてくれた

ある日君が気づいて
私をここに連れてきた

おだやかな明かりを受けて
今日は私が私が
君の笑顔を見守る番だよ
私がいきる場所で

私は窓際にいた鏡
君も思い出して
君の弱みは何なのか
どこで強くなれるのかを

[tao_hiro] 名作歌詞として推薦しました。

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