Ver. 3.25 (Aug 2024-) orpheus2024a |
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● コメント
[ ねことコンパス] 2021/05/15 Sat 10:14:51
今回の作品は、作者が少し悲しい気分の時の雰囲気が強すぎる気もします。通常の時のバージョンがあってもよいのかなとも思いました。
[Orpheus 開発チーム] 2021/05/15 Sat 10:35:35
北原白秋自身のコメントを転記しますね。「この何の不思議もない当然のことを見過ごして
しまふ人は禍である。実に驚嘆すべき一大事実ではないか。この神秘はどこから来る。この驚きを驚きとする心からこそ宗教も哲学も詩歌も自然科学も生まれてくるのではないか。この真理。この顕現。」
白秋が「邪宗門」以来の濃密な詩風で天才詩人とされるも、事件で排斥されて苦しんだ後、「白金之独楽」でこの解脱の心境に至ったのでしょう。澄み切った感覚とともに、背景の痛々しさを思います。この作曲では、和声の選択が良くて、それを思い浮かばせる、しみじみとした味わいを与えてくれていますね。
[ねことコンパス] 2021/05/15 Sat 11:47:37
Orpheus開発チーム様ありがとうございました。私も少し、調べてみました。(背景もよく知らずに曲を作らせていただいたものですから)おかげ様で、この詩を作った当時の白秋の心境がより強く感じられました。
# | bookmark者(uid) # bookmark順 | 論評 |
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1 | 恐らく作曲者の最高作品。北原白秋が濃密な詩で天才として称賛された後に、事件後に社会から排斥され、大いに苦しんだ後に「白金ノ独楽」で達した解脱した澄んだ境地を、この曲は見事に表現している。絶賛された詩作の作風を捨てて得た澄んだ達観の背後に流れる悲しみと苦しみが思われる。 | |
2 | ねことコンパスさんはやはり「506902 雪(三好達治より)」という傑作が既に証明している通り、このような短い詩の中の情景を適切に、説得力を持たせた状態で音楽として浮かびあげる能力に長けているのではないのかとこの作品を聴いて真っ先に感じられた。
「背景を知らずに作らせていただいた」、「作者が少し悲しい気分の時の雰囲気が強すぎる」とこの作品についてコメントで述べているが、このような短い詩の中の一つ一つの言葉を無視することなく、自分なりの解釈に落とし込んだ上でその詩を邪魔しない程度に寄り添えているように個人的には思える。 露骨に悲しく寂寥感をも覚えさせられる中で、行間の中に詰められた美しさが感じさせられるこの曲風は、白秋が描いていた「薔薇ノ花」に対する思いのそれと、非常に上手く呼応しているように感じられる。 |