Ver. 3.25 (Aug 2024-) orpheus2024a |
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id = 772950
吾輩ハ猫デアル / 夏目漱石 / 開発チームSS |
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節 | 拍子 | 和声 | 主旋律 | 伴奏 | 演奏 | |||||||||||
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調の設定 | 和声進行 | 小節選択 | リズム型 | 上限 | 下限 | 旋律型 | 伴奏音形 | サブ音形 | ドラムス | 速度指定 | 歌声 | 音声音量 | 伴奏楽器 | サブ楽器 | ||
1 | 調号なし | 試作13 | 第 7, 8 小節のみ | アルペジオ8分音符上行 | 試作2 | フュージョン1 | 102 | 琴 | アトモスフィア | |||||||
♪ ⇔ |
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2 | ↓ | ↓ | ↓ | 8小節全部使う | 「地上の星」風 | 上のレ | ド | ほぼ順次進行 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 女声アニメ声34 | 0dB (標準音量) | ↓ | ↓ |
吾輩は猫である。
| 名前はまだ無い。
| どこで生れたか
| とんと見当がつかぬ。 ⇔ わ^がはい/わ/ね_こ/で/あ_る /;な^まえ/わ/ま_だ/な_い /;ど_こで/う^まれた_か /;と^んと/け^んと_お/が/つ^か_ぬ |
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3 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
何でも薄暗いじめじめした所で
| ニャーニャー泣いていた事だけは
| 記憶している。 ⇔ な_んでも/ う^すぐら_い/じ_めじめした/と^ころ_で /;にゃ_あにゃあ/な^いて/い^たこと_だけ/わ /;き^おく/し^て/い^る |
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4 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
吾輩はここで始めて人間というものを見た。
| しかもあとで聞くとそれは書生という、
| 人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。 ⇔ わ^がはいわ/こ^こ_で/は^じ_めて/ に^んげんと/ゆ^うもの_お/み_た /;し^か_も/あ_とで/き^くと/ そ^れわ/しょ^せえと/ゆ^う /;に^んげんちゅうで/い^ちばん/ど_おあくな/しゅ_ぞくで/あ_った/そ_おだ |
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5 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
この書生というのは
| 時々我々を捕えて
| 煮て食うという話である。 ⇔ こ^の/しょ^せえと/ ゆ^うの_わ /;と^きど_き/わ^れわれお/つ^かまえて /;に^てく_うと/ゆ^う/は^なし_で/あ_る |
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6 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
しかしその当時は
| 何という考えもなかったから
| 別段恐しいとも思わなかった。 ⇔ し^か_し/ そ^のと_おじ/わ /;な_んとゆう/か^んが_えも/ な_かった/か^ら /;べ^つだん/ お^そろし_い/と_も/ お^もわ_なかった |
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7 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ただ彼の掌に載せられて
| スーと持ち上げられた時
| 何だかフワフワした感じが
| あったばかりである。 ⇔ た_だ/か_れの/て^の_ひらに/ の^せられて /;す_うと/も^ちあげ/ら_れた/と^き_ /;な_んだか/ ふ_わふわ/し^た/ か^んじが /;あ_った/ば_かりで/あ_る |
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8 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
掌の上で少し落ちついて
| 書生の顔を見たのが
| いわゆる人間というものの見始めであろう。
| この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。 ⇔ て_のひらの/う^えで/ す^こ_し/お^ちつ_いて /;しょ^せえの/か^おお/み_たのが /;い^わゆ_る/に^んげんと/ゆ^うもの_の/ み^は_じめで/あ_ろお /;こ^のとき/みょ_おな/も^の_だと/お^も_った/か^んじが/い_までも/の^こ_って/い^る |
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9 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
第一毛をもって装飾されるべきはずの顔が
| つるつるしてまるで薬缶だ。
| その後猫にもだいぶ逢ったが
| こんな片輪には一度もでくわした事がない。 ⇔ だ_いいち/け^おも_って/そ^おしょく/さ^れるべ_き/は^ずの/か^おが /;つ_るつるして/ま^るで/や^かんだ /;そ^のご/ね_こにも/だ^いぶ/あ_ったが /;こ^んな/か^たわ_にわ/い^ちども/で^くわ_した/こ^と_が/な_い |
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10 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
のみならず顔の真中が
| あまりに突起している。
| そうしてその穴の中から
| 時々ぷうぷうと煙を吹く。 ⇔ の_みならず/か^おの/ま^んなかが /;あ^まりに/と^っきして/い^る /;そ_おして/そ^のあなの/な_かから /;と^きど_き/ぷ_うぷうと/け^むりお/ふ_く |
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11 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
どうも咽せぽくて実に弱った。
| これが人間の飲む煙草という
| ものである事はようやくこの頃知った。 ⇔ ど_おも/ む^せぽ_くて/じ^つ_に/よ^わ_った /;こ^れが/に^んげんの/の_む/た^ばこ_と/い^う /;も^の_で/あ_る/こ^と_わ/ よ^おやく/こ^のご_ろ/し^っ/た |
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12 | ↓ | ↓ | ↓ | 第 7, 8 小節のみ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||||
♪ ⇔ |
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13 | ↓ | ↓ | ↓ | 8小節全部使う | 「地上の星」風 | 上のレ | ド | ほぼ順次進行 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 女声アニメ声34 | 0dB (標準音量) | ↓ | ↓ |
この書生の掌のうちで
| しばらくはよい心持に坐っておったが、
| しばらくすると非常な速力で
| 運転し始めた。 ⇔ こ^の/し^ょ^せえの/ て^の_ひらのう^ちで /;し^ば_らくわ/よ_い/こ^ころもちに/す^わって/お_ったが /;し^ば_らく/す^ると/ ひ^じょおな/そ^く_りょくで /;う^んてん/し^はじ_め/た |
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14 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
書生が動くのか自分だけが動くのか
| 分らないが無暗に眼が廻る。
| 胸が悪くなる。 ⇔ しょ^せえが/ う^ご_くのか/ じ^ぶんだけ_が/う^ご_くのか /;わ^から_ないが/ む_やみに/め_が/ま^わる /;む^ね__が/わ^る_く/な_る |
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15 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
到底助からないと思っていると、
| どさりと音がして眼から火が出た。 ⇔ と^おてえ/た^すから_ないと/お^も_って/い^ると /;ど^さ_りと/お^と_が/し^て/ め_から/ひ_が/で_た |
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16 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
それまでは記憶しているが
| あとは何の事やら
| いくら考え出そうとしても分らない。 ⇔ そ^れま_でわ/き^おく/し^ている_が /;あ_とわ/な_んの/こ^と_/やら /;い_くら/か^んがえだ_そおと/し^て_も/ わ^から/な^い |
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17 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ふと気が付いて見ると書生はいない。
| たくさんおった兄弟が一疋も見えぬ。
| 肝心の母親さえ
| 姿を隠してしまった。 ⇔ ふ^と/き^がつ_いて/み_ると/ しょ^せえわ/い^ない /;た^くさ_ん/お_った/きょ_おだいが/ い^っぴきも/み^え_ぬ /;か^んじんの/は^はおやさ_え/ /;す_がたお/か^く_して/し^まった /; |
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18 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
その上今までの所とは違って
| 無暗に明るい。
| 眼を明いていられぬくらいだ。 ⇔ そ^のうえ/い^ま_までの/と^ころ_とわ/ち^がって/ /;む_やみに/あ^かるい /;め_/お/あ^い/て/い^/られ/ぬ/くらい/だ |
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19 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
はてな何でも容子がおかしいと、
| のそのそ這い出して見ると非常に痛い。
| 吾輩は藁の上から急に
| 笹原の中へ棄てられたのである。 ⇔ は_てな/な_ん/で/も/ よ^おす/が/お^かし_い/と /;の_そのそ/は^いだ_して/み_ると/ ひ^じょおに/い^た_い /;わ^がはいわ/わ_らの/う^え_から/ /;きゅ^うに/さ^さはらの/な_かえ/す^てられた_ので/あ_る |
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20 | ↓ | ↓ | ↓ | 第 7, 8 小節のみ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||||
♪ ⇔ |
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21 | ↓ | ↓ | ↓ | 8小節全部使う | 「地上の星」風 | 上のレ | ド | ほぼ順次進行 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 女声アニメ声34 | 0dB (標準音量) | ↓ | ↓ |
ようやくの思いで笹原を這い出すと
| 向うに大きな池がある。
| 吾輩は池の前に坐って
| どうしたらよかろうと考えて見た。 ⇔ よ^おやくの/お^も_いで/さ^さはらお/は^いだ_すと /;む^こ_おに/お_おきな/い^け_が/あ_る /;わ^がはいわ/ い^けの/ま_えに/す^わって /;ど_お/し^た_ら/よ^かろお_と/か^んが_えて/み_た |
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22 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
別にこれという分別も出ない。
| しばらくして
| 泣いたら書生がまた迎えに
| 来てくれるかと考え付いた。 ⇔ べ^つに/ こ^れとゆう/ふ_んべつも/で_ない /;し^ば_らく/し^て /;な^いた_ら/しょ^せえが/ ま^た/む^かえに /;き_て/く^れるかと/か^んがえつ_いた |
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23 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ニャー、ニャーと
| 試みにやって見たが
| 誰も来ない。 ⇔ にゃ_あ/にゃ_あ/と /;こ^ころみに/や^って/み_たが /;だ_れも/こ_ない |
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24 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
そのうち池の上を さらさらと
| 風が渡って日が暮れかかる。
| 腹が非常に減って来た。
| 泣きたくても声が出ない。 ⇔ そ^のうち/い^けの/う^えお/さ_らさらと /;か^ぜが/わ^たって/ひ^が/く^れかか_る /;は^ら_が/ひ^じょおに/へ^って/き_た /;な^き_たくても/こ_えが/で_ない |
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25 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
仕方がない、何でもよいから食い物の
| ある所まであるこう
| と決心をしてそろりそろりと
| 池を左に廻り始めた。 ⇔ し^かたが/な_い/ な_んでも/よ_いから/く^いも_のの /;あ_るところ/^ま_で/ あ^るこ_お /;と/^け_っしんお/し^て/ そ^ろ_り/そ^ろ_りと /;い^け_お/ひ^だりに/ま^わり/は^じ_めた |
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26 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
どうも非常に苦しい。
| そこを我慢して無理やりに這って行くと
| ようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。 ⇔ ど_おも/ひ^じょおに/く^るし_い /;そ^こ_お/が_まんして/ む^りやりに/はっ_ていくと /;よ^おやくのこと_で/ な^んとな_く/に^んげんくさ_い/と^ころ_え/で_た |
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27 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ここへ這入ったら、
| どうにかなると思って
| 竹垣の崩れた穴から、
| とある邸内にもぐり込んだ。 ⇔ こ^こ_え/は_いったら /;ど_おにか/な_ると/お^も_って /;た^けがきの/ く^ずれ_た/あ^な_から /;と^あ_る/て_えないに/も^ぐりこんだ |
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28 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
縁は不思議なもので、もしこの竹垣が
| 破れていなかったなら、吾輩は
| ついに路傍に餓死したかも知れんのである。
| 一樹の蔭とはよく云ったものだ。 ⇔ え_んわ/ふ^しぎな/も^の_で/ も_し/こ^の/た^けがきが /;や^ぶれ_て/い^なかっ_た/な_ら/ わ^がはいわ/ /;つ_いに/ろ^ぼおに/が_しした/か_も/し^れんの_で/あ_る /;い^ち_じゅの/か_げとわ/よ_く/い^った/も^の_だ |
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29 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
この垣根の穴は今日に至るまで
| 吾輩が隣の三毛を訪問する時の
| 通路になっている。 ⇔ こ^の/か^きねの/あ^な_わ/きょ_おに/い^た_るまで /;わ^がはいが/と^なりの/み_けお/ほ^おもんする/と^き_の /;つ_うろに/な_って/い^る |
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30 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
さて邸へは忍び込んだものの
| これから先どうして善いか分らない。
| そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、
| 雨が降って来るという始末でもう一刻の猶予が出来なくなった。 ⇔ さ_て/や^しきえわ/し^のびこ_んだ/も^のの /;こ^れからさ_き/ ど_おして/い_いか/わ^から_ない /;そ^のうちに/く^らくな_る/ は^ら_わ/へ^る/ さ^むさわ/さ_むし /;あ_めが/ふ_って/く_るとゆう/し_まつで/も^お/い^っこくの/ゆ_うよが/で^き_なく/な_っ/た |
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31 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
仕方がないからとにかく
| 明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。
| 今から考えるとその時は
| すでに家の内に這入っておったのだ。 ⇔ し^かた/が/な_いから/ と_にかく /;あ^かる_くて/あ^たたかそ_おな/ほ_おえ/ほ_おえと/あ^る_いて/い^く /;い_まから/か^んが_えると/ そ^の/と^き_わ /;す_でに/い^え_の/う^ちに/は_いって/お_ったのだ |
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32 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ここで吾輩は
| 彼の書生以外の人間を
| 再び見るべき機会に遭遇したのである。 ⇔ こ^こで/わ^がはいわ /;か_の/しょ^せえい_がいの/に^んげんお /;ふ^たたび/み_るべき/き^か_いに/ そ^おぐう/し^た/の_で/あ_る |
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33 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
第一に逢ったのがおさんである。
| これは前の書生より一層乱暴な方で
| 吾輩を見るや否やいきなり
| 頸筋をつかんで表へ抛り出した。 ⇔ だ_いいちに/あ_ったのが/お^さ_んで/あ_る /;こ^れわ/ま_えの/しょ^せえよ_り/ い^っそお/ら^んぼおな/ほ_おで /;わ^がはいお/み_るや/い_なや/い^きなり /;く^びすじお/つ^か_んで/ おもて_え/ほ^おりだ_した |
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34 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
いやこれは駄目だと思ったから
| 眼をねぶって運を天に任せていた。 ⇔ い_や/こ^れわ/だ^め_だと/お^も_ったから /;め_お/ね^ぶって/ う_んお/て_んに/ま^かせて/い^た |
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35 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
しかしひもじいのと寒いのには
| どうしても我慢が出来ん。
| 吾輩は再びおさんの隙を見て
| 台所へ這い上がった。 ⇔ し^か_し/ ひ^もじ_いのと/さ^む_いのにわ /;ど^おして_も/ が_まんが/で^き_ん /;わ^がはいわ/ ふ^たたび/お^さ_んの/す^きお/み_て /;だ^いどころえ/は^いあが_った |
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36 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
すると間もなくまた投げ出された。
| 吾輩は投げ出されては這い上り、這い上っては投げ出され、
| 何でも同じ事を四五遍繰り返したのを
| 記憶している。 ⇔ す^ると/ ま^もなく/ま^た/な^げださ_れた /;わ^がはいわ/ な^げださ_れてわ/は^いのぼ_り/ は^いのぼって_わ/な^げださ_れ /;な_んでも/ お^なじ/こ^と_お/し^ごへん/く^りかえ_したのお /;き^おくして/い^る |
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37 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
その時におさんと云う者は
| つくづくいやになった。
| この間おさんのさんまをぬすんでこの返報をしてやってから、
| やっと胸のつかえが下りた。 ⇔ そ^のと_きに/ お^さん_と/い^う/も^の_わ /;つ^くず__く/い^や_に/な_っ/た /;こ^のあいだ/お^さ_んの/さ^んまお/ぬ^す_んで/ こ^の/へ^んぽおお/し^て/や^って/か^ら /;や^っと/む^ねの/つ^かえ_が/お^り_た |
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38 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、
| このうちの主人が
| 騒々しい何だといいながら出て来た。 ⇔ わ^がはいが/ さ_いごに/つ^まみだされよ_おと/し^た/と^き_に /;こ^のうちの/しゅ_じんが /;そ^おぞおし_い/ な_んだと/い^いながら/で_て/き_た |
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39 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
下女は吾輩をぶら下げて主人の方へ向けて
| この宿なしの小猫がいくら出しても出しても
| 御台所へ上って来て困りますという。 ⇔ げ_じょわ/わ^がはいお/ぶ^らさげて/ しゅ_じんの/ほ_おえ/む^けて /;こ^の/や^どなしの/こ^ね_こが/ い_くら/だ_しても/だ_しても /;お^だ_いどころえ/あ^がって/き_て/ こ^まります_と/い^う |
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40 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 「地上の星」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
主人は鼻の下の黒い毛をひねりながら
| 吾輩の顔をしばらく眺ながめておったが、
| やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入ってしまった。
| 主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。 ⇔ しゅ_じんわ/は^なの/し^たの/く^ろ_いけお/ひ^ね_りな_がら /;わ^がはいの/か^おお/し^ば_らく/な^が_めて/お_ったが /;や^がて/そ^ん_なら/う^ち_え/お^いて/や^れ_と/い^ったまま/お_くえ/は_いって/し^まった /;しゅ_じんわ/あ^まり/く^ちお/き^かぬ/ひ^と_と/み_えた |
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41 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 半拍弱起■「時の過ぎ行くままに」風 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
下女は口惜しそうに吾輩を台所へ抛り出した。
| かくして吾輩は
| ついにこの家を自分の住家と
| きめる事にしたのである。 ⇔ げ_じょわ/く^やしそ_おに/わ^がはいお/だ^いどころえ/ほ^おりだ_した /;か_くして/わ^がはいわ /;つ_いに/こ^の/う^ち_お/ じ^ぶんの/す_みかと /;き^める/こ^と_に/ し^た_ので/あ_る |
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42 | ↓ | ↓ | ↓ | 第 7, 8 小節のみ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||||
♪ ⇔ |