妖刀誕生振りかざした剣は むなしく空を切り続け 力尽きた私はあえなく 地べたに這いつくばった 怪異の血を吸ったその剣で いたぶるように 体中を打ちつけられ あわやとどめといった刹那 それは役人の手を離れ 我が手中にて緑色の光を放つ せめて一太刀と力を振りしぼるが これも空を切る 役人達は一呼吸おいた後 この場にそぐわない そよ風を感じた しかしそれが最後だった 残されたものは 傷だらけのそれと私 これが妖刀 血風翡翠誕生の顛末である
audio
■コメント追記は登録者のみ