589382 / 鳥井夏希
おしゃべりなインコ「君は名前なんていうの?」
今日うちにやってきたインコ
なぜだか日本語をしゃべりだす
それもただの真似じゃない
私の言葉に返事をする!
私はフツーの小学5年生
どちらかというと大人しいほう
超能力とかは一切ない
なのに、なんで?
おそるおそる名前を言ったら
下の名前で呼び始めた
そのままたくさん会話したが
他の人には聞こえないらしい
毎日、毎日、君と会話して
話すのが苦手な私には
ちょうどいい練習になった
やがて話すのが上手くなった
クラスに友だちもできて
遊びに行ったりして
帰るのが遅くなる日も増えた
君とはあまり話さなくなった
君はある日いなくなった
開けっぱなしの窓の向こうは
いつもと変わらないはずなのに
なぜか寂しく感じる
そうだ!
たとえ君がいなくなっても
私は強く生きていくんだ!
今の私には友だちもいる!
でも君のことは忘れないよ
私の胸の中にしまっておくから
いつかまた出会えた時に
あの日々の話をしようか
それまで、元気でね!
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